毎日がポニトレ日和

愛知在住。大学生の備忘録。

タバコは百害あって三利くらいはある

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つい先日、高校以来の親しい友人と盃を交わした。彼は高校時代とは大きく様変わりしていたが、その中でも印象的だったのは彼がヘビースモーカーになっていたことだ。


良い感じに酔いが回ってきた時に、彼は私に一本どうだ、と勧めた。私は普段喫煙をしないのだが、人生経験として吸ってみるのもまた一興だと考え、その誘いに乗った。


煙草を吸っている間、私は自分がダンディーでノーブルな大人の男性である様に感じられた。煙を吐きながら虚空を見つめる自分に酔っていたと言ってもいい。無論、ハタから見れば冴えないアホヅラの男が煙草を吸っているだけなのだが。


友達の喫煙姿は中々決まっていた。煙草の美味しさがわからなかった私は、正直カッコつけの為に吸ってんだろ、と尋ねたが、彼は精神安定の為に吸っている、と答えた。


内心、煙草に精神安定を求めたら終わりだな、なんて考えながら酒はどんどん進んでいき、しまいには「最近の喫煙者を淘汰する社会の流れは如何なものか」だの「人生なんて健康寿命が長ければいいんだ」などと人生初喫煙の私はほざき散らしていた。


翌日、私は塾講師のアルバイトに向かった。そこで、生徒がこう発言した。

「喫煙者は自分の健康を損なうだけなら兎も角、周りに害を振りまいて一体何がしたいのかわからない」

昨日俺も周りに害を振りまいたんだけどな、と心の中で悪態を突く間も無く、あれよあれよと反喫煙の意見が同僚、生徒の口から飛び出し、場は完全に喫煙者に対してアウェーであった。(念のため言っておきますが、私は喫煙席で煙草を吸っていたのでマナー違反を犯した訳ではありません)


煙草はよく「百害あって一利なし」と言われる。確かに、金銭面、健康面、周りへの迷惑を考えると、百害とは決して大袈裟ではないのかも知れない。

一方で、ヘビースモーカーとして知られるさくらももこさんは、自分がヘビースモーカーであるからこそ健康に対する意識が高まる為、“健康は煙草から”という持論を自らのエッセイの中で述べている。

また、私の好きな漫画である「魔人探偵脳噛ネウロ」の登場人物、葛西善二郎は、以下の様に述べている。

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勿論、実際は煙草が不健康を呼び起こすのは自明であろう。とは言え、それらの害を被っても煙草をやめられない人たちがいるのもまた事実。

「自分に酔える」「大人を演出できる」「精神を安定させられる」...百害あって一利なし、とは言うものの実際は三利くらいはあるのだろう。煙草を吸う、という習慣が合理的かどうかは兎も角、タバコはこれからも日本社会に蔓延り続けるだろう。


とはいえ、やはり自分の快楽のために他人の健康に害を及ぼすのは宜しくない。自宅で洋楽でも聴きながら、誰にも迷惑をかけずにひっそりと自分に酔う。それがダンディーでノーブルな大人なのではないか、と煙を眺めながら私は考えた。